ここには、SSにもならないような小ネタを置いてあります。

 


 ・名前

 二年生の始業式の日。

 同じクラスになった理樹と真人は教室で談笑していた。

「しかし、このクラスって変わった名前の奴らが多いよな」

 クラス名簿を見ながら真人が言う。

「そうだったっけ?」

 理樹は真人の持つ名簿を横から覗き込んだ。

 

「ああ、こいつ見てみろ」

 そう言って真人が指差した名前は『来ヶ谷唯湖』。

「『らいらいだに』ってどんな苗字だよ」

 …いや、それ『くるがや』だから。

 

「こいつの下の名前も変わってるよな」

 『西園美魚』の名を指差しながら言う。

「『びざかな』だってよ。変な名前だよな」

 …多分『みお』だと思うよ。

 

「それからこいつだ」

 次に指差された名前は『能美クドリャフカ』。

「『のうび くどら…くどりゃふか』って、どこの国の人間だよ」

 …惜しい!『のうび』じゃなくて『のうみ』だよ。あと今思いっきり噛んだよね。

 

「そして、極めつけはこいつだ」

 真人のごつい指が指し示す名前は『神北小毬』。

 

「『モスキキン』って何だよ『モスキキン』って」

「いやなんでそこだけちゃんと読めるのさ!」


・クドリャフカ

 今日もまた、ランキングバトルが繰り広げられていた。

 今ここで戦っているのは謙吾と真人。

 真人の一撃がクリティカルヒットとなって謙吾の胴に決まる。

 苦痛と不覚に顔をしかめる謙吾。

 その隙を見逃さず、雄たけびをあげながら追い討ちを加えようと謙吾に襲い掛かる真人。

 近くで見ていた鈴は、その鬼気迫る表情に怯え、威嚇の声をあげるのだった。

 

「くっ!」

「どりゃああぁぁぁーーーっ!」

「ふかーっ!」

 

「わふっ!? 何だか呼ばれた気がするのですっ!」

「いやいやいや」

 


 

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